一度決めると変更するのは困難ですので慎重に検討することが重要です。
開業準備段階では以下のような観点から場所の候補を絞っていきました。
- 生まれ育った地域
- 仕事等で人脈のある地域
- 司法修習で先輩弁護士等との関係性を築きバックアップを期待できる地域
- 弁護士密度的に有利な地域(弁護士一人当たり人口の多い地域)
独立してしばらく経った現在、仕事のスタイルによって事務所の設立場所を決めることが重要だったと実感しています。
- 訴訟等の事件処理をメインにするのか否か
- どのような活動をしていくか
- どの地域に住居を構えるか
<開業準備段階の思考>
開業準備段階(独立前)は、仕事を確保できるかといった観点を中心に法律事務所の開設場所を検討していました。
そのため、生まれ育った地域や仕事等で人脈のある地域といった仕事のとれそうな縁のある地域か、先輩弁護士から仕事をまわしてもらったりサポートの期待できる地域、弁護士の人数が少なく弁護士需給バランス的に仕事をとりやすいと考えられる地域を中心に場所を絞っていきました。
<開業準備段階の検討の現状における評価>
このような場所の絞り方は間違いではなかったと思います。
ただ、開業準備段階で仕事を確保できるかという不安が先行してこのような観点だけしか目を向けないというのは勿体なかったなと思います。
<反省や対策>
訴訟をメインにするのであれば裁判所にアクセスのよい場所にしておくことが重要です。
当職の場合、裁判所に行くのに30分はかかります。
遅刻しないよう早目にでると45分前には事務所を出ることになります。往復で1時間30分程度移動時間が発生することになり、移動時間は稼働できないため結果として法律事務所経営の非効率化を招いてしまっています。
顧問先対応においても同様です。
仕事を確保できるかといった観点と同じレベルで、どのように効率的に仕事をこなしていくかといった観点も重要です。
そのためには、開業準備段階から
- 訴訟等の事件処理をメインにするのか否か
- どのような活動をしていくか
<職住近接>
弁護士に限らず、税理士等の士業は地域に根付き地域からの信頼を得て仕事を稼得していくというのは王道のスタイルです。
通勤時間は仕事のできない不稼働時間ですので、効率的な法律事務所経営という観点からも短い時間の方が有利なのが当然です。
1日当たり30分の通勤時間があるとすると、年間250日稼働で125時間(約5.2日)の不稼働時間が発生することになります。
法律事務所の開設場所を決めるうえでは、自分が将来どこに住みたいかということも併せて検討しておくことが重要です。